西部劇の進化4「リビジョニスト西部劇におけるインディアンの新たな描写」

インディアン(ネイティアメリカン)

序章: 西部劇の進化

1950年代初頭、西部劇はアメリカ映画の中心ジャンルの一つでした。しかし、この時代の西部劇が示す先住民インディアンの描写は、しばしばステレオタイプに満ち、敵対的な「悪者」として描かれることが一般的でした。これは、アメリカの拡大と先住民との葛藤の歴史的な物語を反映したものです。

リビジョニスト西部劇の台頭

1950年代から1970年代にかけて、西部劇は大きな転換期を迎えます。この時期、いわゆる「リビジョニスト」西部劇が登場し、先住民インディアンの描写に大きな変化が見られました。これらの作品では、インディアンをより人間的で複雑なキャラクターとして描くことで、以前のステレオタイプからの脱却を試みました。

具体例: 『リトル・ビッグマン』(1970)

アーサー・ペン監督の『リトル・ビッグマン』(小さな巨人)は、リビジョニスト西部劇の代表例の一つです。この映画は、主人公ジャック・クラブがインディアンとして育てられ、彼らの文化と苦悩を内面から理解する物語を描きます。インディアンは単なる敵ではなく、彼らの文化と生活様式、白人との葛藤における彼らの立場が深く掘り下げられています。見ていて苦しくなるシーンありますが、悪名高いカスター将軍が行ってきて殺戮性が表現されています。大統領候補だったのですが、本当にならなくってよかったです。下に、YotuTube貼り付けておきます。(キャプションはついてないので、ご自分で設定すると見れたりするのかな?)

※「リビジョニスト」とは…
リビジョニスト(Revisionist)は、歴史的な解釈や一般的に受け入れられている観点に疑問を投げかけ、再評価しようとする考え方や運動を指します。リビジョニズムは、歴史学だけでなく、映画や文学などの文化的表現にも見られます。特に西部劇におけるリビジョニストのアプローチでは、従来の西部劇が描いてきた先住民インディアンのステレオタイプや白人の英雄像などに挑戦し、これらのキャラクターや歴史的出来事をより複雑で現実的、多面的な視点から描き直すことを試みます。

リビジョニスト西部劇は、先住民インディアンやその他のマイノリティグループの人々が直面してきた苦難や不正をより正確に表現し、従来の西部開拓時代の英雄的な物語を再考し、より深い人間性や歴史的複雑さを探求します。このような作品は、見落とされがちだった視点や声を取り入れることで、歴史のより包括的で多様な理解を促します。

https://youtu.be/A5flnCYVz34

歴史的事実との対比

リビジョニスト西部劇におけるインディアンの描写は、実際の歴史的事実や文化との関連で分析することが重要です。例えば、『リトル・ビッグマン』では、カスター将軍の最後の戦いや、アメリカ政府によるインディアンへの扱いが描かれています。これらの描写は、多くの場合、過去の文献や記録に基づいており、観客に対してより真実に近い歴史の一面を示すことを試みています。

※余談…ですが、少し、「インタビュー・ウィズ・バンパイア」や「ラストサムライ」を思い出します。作りが似てるんですかなねぇ? 「ラスト オブ モヒカン」「アバター」のようにハーフが残っていく(この三つで言うと、価値観の伝達者だがその種族の血を引くものではない)一方で純血腫は死にゆく運命という描き方はもう1970年代にはあるのですね。一体、いつごろからあるのでしょうかね。個人的にそういうメッセージが認識できる映画には、お胸がチクチクするのですが。上記の映画はまた見ます。

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